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2025.01.08

恵比寿映像祭2025から、今津景ら注目のアーティストの個展まで / 編集部が今月、これに行きたい アート備忘録 2025年1月編

Text & Edit / Daisuke Watanuki
Illustration / Nao Sakamoto

たくさんの展覧会やイベントの中から、絶対に行くべきアートスポットを編集部が厳選! 毎月のおすすめをピックアップしてご紹介します。
今月は総合開館30周年を迎える東京都写真美術館を舞台に、恵比寿映像祭2025がスタート。ほかにも今津景、雨宮庸介、玉山拓郎ら注目作家の個展が続々開催。

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先月紹介のイベントもまだまだ楽しめる!

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坂本龍一の最大規模の個展から、森山未來が参加するグループ展まで / 編集部が今月、これに行きたい アート備忘録 2024年12月編

  • #連載 #展覧会 #アート備忘録

総合開館30周年記念 恵比寿映像祭2025 「Docs ―これはイメージです―」(東京都写真美術館ほか・東京)

トニー・コークス 《The Queen is Dead ... Fragment 2》 インスタレーション風景(ローマ現代美術館[MACRO])2021年 作家蔵 Courtesy the artist, Greene Naftali, New York, Hannah Hoffman, Los Angeles, and Electronic Arts Intermix, New York. Photo: Simon d'Exéa. [参考図版]  

毎回テーマをかかげて国内外の映像表現を紹介する恵比寿映像祭が、総合開館30周年を迎える東京都写真美術館を中心に、恵比寿ガーデンプレイス各所などを会場にして開催。2025年度の総合テーマ「Docs ―これはイメージです―」は、幅広い作品群をイメージと言葉からひも解くことで、「ドキュメント/ドキュメンタリー」の再考する試みを目指したもの。アーティストによる映像、写真、資料などのパフォーマンスや身体性と関連する作品群の展示や、ライブ、トーク、ワークショップなどの多彩なプログラムを用意

カウィータ・ヴァタナジャンクール 《A Symphony Dyed Blue》 2021年 作家蔵 Courtesy the artist and Nova Contemporary

会期:2025年1月31日(金)〜2月16日(日)
会場:東京都写真美術館 ほか
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内 ほか
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「今津景 タナ・アイル」(東京オペラシティ アートギャラリー・東京)

《Memories of the Land/Body》 2020 タグチアートコレクション 撮影:木奥惠三 courtesy of The Artist and ANOMALY

今津景は、インターネットやデジタルアーカイブといったメディアから採取した画像を、コンピュータ・アプリケーションで加工を施しながら構成、その下図をもとにキャンバスに油彩で描く手法で作品を作るアーティスト。2017年インドネシアのバンドンに制作・生活の拠点を移し、近年の作品はインドネシアの都市開発や環境汚染といった事象に対するリサーチをベースにしたものを中心に制作しています。本展は、近年国内外で注目を浴びる今津の初めての大規模個展。自らが生きる場所について考える契機になりそう。

《Hainuwele》 2023 トゥムルン美術館(インドネシア) courtesy of The Artist and ROH

会期:2025年1月11日(土)〜3月23日(日)
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
住所:東京都新宿区西新宿3-20-2
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「雨宮庸介展| まだ溶けてないほうのワタリウム美術館」(ワタリウム美術館・東京)

Apple, 2023年 林檎材に油絵具

ドローイング、彫刻、パフォーマンスなど多岐にわたるメディウムによって作品を制作する雨宮庸介。本展ではワタリウム美術館を舞台に制作された最新VR作品を中心としながら、《溶けたりんごの彫刻》や《石巻13分》の記録映像、《1300年持ち歩かれた、なんでもない石》のペーパーなど、雨宮の代表作を一堂に体験できる展覧会。また最新作のVR作品は、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)をかぶって体験する仕様に。VR作品への取り組みの総決算というべき新作に期待したい。

胡蝶の正夢 2000年 FRPにテンペラと油彩の混合技法、台座 Photo:Yasunori Tanioka

会期:2024年12月21日(土)〜2025年3月30日(日)
会場:ワタリウム美術館
住所:東京都渋谷区神宮前3-7-6
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「栗林隆 Roots」(神奈川県立近代美術館 葉山・神奈川)

《Betonhaus(コンクリートの家)》 1997 カッセル総合大学校内、カッセル、ドイツ

ドローイングやインスタレーションや映像などの多様なメディアを用いて、身体的体験を観客にうながす作品を国内外で発表してきた栗林隆。自然と人間の関わりに対する本人の深い関心から生まれた作品を制作し、現在はインドネシアと日本を往復しながら活動しています。本展は、本来展示空間ではないスペースのために発案されたインスタレーションをはじめとして、未発表のドローイングや映像作品なども展示することで、近年ますます活躍の場を広げている作家の過去と未来の「境界=今」を観ることができます。

《Tanker Project(タンカープロジェクト)》2023 六本木ヒルズアリーナ、東京、日本 写真:木奥惠三

会期:2024年12月14日(土)〜2025年3月2日(日)
会場:神奈川県立近代美術館 葉山
住所:神奈川県三浦郡葉山町一色2208-1 
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INTERVIEW

玉山拓郎インタビュー。豊田市美術館での原体験についても語る

玉山拓郎インタビュー。豊田市美術館での原体験についても語る

INTERVIEW

「日常の中にある違和感を、ただ作品化している感覚なんです」 / アーティスト・玉山拓郎が語る風景とアート

  • #玉山拓郎 #特集

「玉山拓郎:FLOOR」(豊田市美術館・愛知)

MV01、2024 Photo: Kohei Omachi (W)

玉山拓郎は、立体的な造形や光、映像、音を組み合わせたインスタレーションを展開してきたアーティスト。日常的に用いられる机や電球が大地や星々のようにも見えるなど、玉山の作品は内なる場と外界の関係へと想像をひろげつつ、大小のスケールの振れ幅に両者の境界を問うてきました。今回の展覧会で展示されるのは、基本的にはただ一つのインスタレーションのみ。豊田市美術館の特徴的な展示空間に、建築とも、構造物とも、あるいは立体作品や彫刻ともつかない巨大な物体を貫入させます。

玉山拓郎《FLOORのプラン》2024

会期:2025年1月18日(土)〜5月18日(日)
会場:豊田市美術館
住所:愛知県豊田市小坂本町8-5-1
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「横尾忠則の人生スゴロク展」(横尾忠則現代美術館・兵庫)

《1936年、一人の男が真実の追求のために生まれた》1988年 横尾忠則現代美術館蔵

横尾忠則の波乱万丈の人生を、作品によって再構成しているものの、無事「あがり」にたどり着けるかどうかは運任せ。なすがままに運命を受け入れてきた横尾の生き方さながらに、楽しく遊びながらその作品に親しむことができる、展示空間をスゴロクに見立てた前代未聞の企画展です。人生スゴロクは誕生から思春期を過ごした故郷・「西脇編」、上京後の軌跡をたどる「東京編」で構成。スゴロクのように運命に翻弄されつつも、驚くほどドラマチックな横尾忠則の人生を追体験できます

《大入満員》1994年 横尾忠則現代美術館蔵

会期:2025年1月17日(金)〜5月6日(火・振休)
会場:横尾忠則現代美術館
住所:兵庫県神戸市灘区原田通3-8-30
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「吉村靖孝展 マンガアーキテクチャ――建築家の不在」(TOTOギャラリー・間・東京)

滝ヶ原チキンビレジ ©Yasutaka Yoshimura 石川県、2021年

吉村靖孝は、建築が人びとの自発的な動きと、社会制度や状況など多様な社会的条件との架け橋になれるような関係構築を試みてきた建築家。本展では、吉村の7つのプロジェクトを、異なる漫画家が7つのストーリーとして描き下ろすことにより、建築の新たな解釈の可能性を探ります。二次元の絵画表現の中でも特に独自の発達を遂げ、私たちの日常生活にもなじみ深いものとなった漫画の世界。漫画が建築と出逢い、建築家の手を離れた先に描かれるものはなにか。建築家個人の作家性を「不在」にした展覧会です。

Nowhere but Sajima ©Yasutaka Yoshimura 神奈川県、2008年

会期:2025年1月16日(木)〜 3月23日(日)
会場:TOTOギャラリー・間
住所:東京都港区南青山1-24-3 TOTO乃木坂ビル3F
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