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2022.10.07
アーティスト 遠藤文香 編 / 連載「作家のアイデンティティ」Vol.6
独自の切り口で美術の世界をわかりやすく、かつ楽しく紹介する「アートテラー」として活動する、とに〜さんが、作家のアイデンティティに15問の質問で迫るシリーズ。今回は、美しい自然の一瞬を切り取る遠藤文香さん。北海道での活動、言葉を交わせない動物や植物、鉱物を鮮やかに映す遠藤さんの背景に迫ります。
作家 高村総二郎 編 / 連載「作家のアイデンティティ」Vol.5 はこちら!
遠藤文香さんに質問です。(とに〜)
『作家のアイデンティティ』シリーズ始まって以来初となる写真家さんがゲスト。一億総カメラマン時代ゆえ、写真を撮ることは息をするくらいに日常で当たり前の行為となりました。それだけに、写真家にとって「写真を撮る」とはどういうことなのか教えて頂きたく、いろいろ質問させて頂きます。本当は、「自分は写真写りが悪く、カメラマン泣かせなのですが、どうしたら写真写りが良くなりますか?」という質問もしたかったのですが、この企画を使ってまでする質問ではないので自重しました。もし展覧会などでお会いする機会があったら、そのアドバイスを頂けましたら幸いです。
![](/assets/artist-identity-06_ayaka-endo3.jpg)
Q.01 作家を目指したきっかけは?
表現することが好きだったから。会社で働けるとは思わなかった。
Q.02 写真でしかできない表現は何だと思いますか?
瞬間的に残すこと。
スピード感が自分にあっている。
Q.03 モチーフを選ぶ際に、一番大事にしていることは何ですか?
自分の心が動くかどうか。
感動して言葉になる前の自分と対象が混ざり合うような境界がなくなる感覚を大事にしています。
![](/assets/artist-identity-06_ayaka-endo1.jpg)
Q.04 写真を作品として展示する際に一番こだわっていることは?
質感、迫力。
Q.05 「これは良い作品になる!」と手ごたえを感じるのは、どの瞬間ですか?
基本的には撮影中。
本当に良いと感じるられるかどうかは時間経ってからな気がします。
Q.06 作品として撮影する写真とプライベートで撮る写真の一番の違いは?
機材です。作品としては一眼レフを、プライベートではiPhoneやGRを使います。
Q.07 愛用しているカメラを思いっきり自慢してください。
Nikon D850です。
機材にはあまり詳しくないですが、大学院生の時写真をちゃんとやる覚悟のつもりで高いカメラを買いました。
気になっていくらくらいなのか、ググってしまいました。大学院生にしては高い買い物ですね!(とに〜)
![](/assets/artist-identity-06_ayaka-endo4.jpg)
Q.08 撮影に行く際にカメラや機材以外で、絶対にこれは持っていくというモノはありますか?
ヘッドホン。没入しながら撮影するのが好きです。
![](/assets/artist-identity-06_ayaka-endo6.jpg)
Q.09 作品や写真集を購入された方からの感想で、これまでで一番キュンとしたものを教えてください。
救われたと言ってもらった時は嬉しかった。
Q.10 職業病だなぁと思うことは?
撮りすぎるところ。
![](/assets/artist-identity-06_ayaka-endo10.jpg)
Q.11 制作に関すること以外の特技があれば、教えてください。
かつては運動、絵を描くこと。
Q.12 青春時代、一番影響を受けたものは何ですか?
絵画を観るのが好きで、あとはグラフィックデザインにもよく影響を受けました。
初めて写真で衝撃を受けたのは荒木経惟さんの写真集。
![](/assets/artist-identity-06_ayaka-endo9.jpg)
![](/assets/artist-identity-06_ayaka-endo7.jpg)
Q.13 もし、一つだけ超能力が手に入るとしたら、どんな能力が欲しいですか?
テレパシー
しゃべらないものたち、動物や植物・石・モノなどの声を聞いてみたいかも。
Q.14 もしも作家になってなかったら、今何になっていたと思いますか?
グラフィックデザイナーに大学院修了するまではなるものだと思ってました。
Q.15 自分を動物に例えると何ですか?
まだわかりません…。(でも牡牛座なので牛にしておきます。)
干支でなく、星座をチョイスされたのですね。(とに〜)
![](/assets/artist-identity-06_ayaka-endo12.jpg)
シンプルながらも的確で端的。瞬間的に残す表現をされているという遠藤さんの作家性が、質問への答え方にも表れている気がしました。
また、グラフィックデザインというキーワードが2回登場したのも興味深かったです。なるほど。遠藤さんの作品の個性的な色味や質感の秘密は、そこにあるのかもしれませんね。写真家としての遠藤さんが瞬間的に撮影した写真を素材に、グラフィックデザイナーとしての遠藤さんが完成させる。そんな一人二役の共同作業で(?)作品を生み出している印象を受けました。
そういった理解で合ってますかね?僕もテレパシーがあれば、遠藤さんに答えを聞けるのに。(とに〜)
information
ARToVILLA MARKET
ARToVILLA主催、現代アートのエキジビション兼実験店舗「ARToVILLA MARKET」を開催いたします。
遠藤文香さんも出展予定です。
■会期
2022年11月11日(金)〜11月13日(日)
■会場
FabCafe Tokyo, Loftwork COOOP10
〒150-0043
東京都渋谷区道玄坂1丁目22−7道玄坂ピア1F&10F
神泉駅から徒歩5分、渋谷駅から徒歩10分
Google map
■入場料
無料
ARTIST
![](/assets/artist-identity-06_ayaka-endo13.jpg)
遠藤文香
アーティスト
1994年生まれ。 東京を拠点に活動している。自然における人為の介入をデジタル加工で模し、アニミズム的な自然観をテーマに写真作品を制作。アニミズム的自然観をテーマに写真作品を制作。主な展示に個展「Kamuy Mosir」(2021、KITTE 丸の内、東京 )、個展「the belief in Spiritual Beings」(2022、NADiff Gallery、東京)、「浅間国際フォトフェスティ バル 2022」参加など。主な受賞に「写真新世紀 2021」佳作入賞 ( オノデラユキ選 ) がある。
DOORS
![](/assets/toni~.jpg)
アートテラー・とに~
アートテラー
1983年生まれ。元吉本興業のお笑い芸人。 芸人活動の傍ら趣味で書き続けていたアートブログが人気となり、現在は、独自の切り口で美術の世界をわかりやすく、かつ楽しく紹介する「アートテラー」として活動。 美術館での公式トークイベントでのガイドや美術講座の講師、アートツアーの企画運営をはじめ、雑誌連載、ラジオやテレビへの出演など、幅広く活動中。 アートブログ https://ameblo.jp/artony/ 《主な著書》 『ようこそ!西洋絵画の流れがラクラク頭に入る美術館へ』(誠文堂新光社) 『こども国宝びっくりずかん』(小学館)
volume 04
アートを観たら、そのつぎは
アートを観るのが好き。
気になる作家がいる。
画集を眺めていると心が落ち着く。
どうしてアートが好きですか?
どんなふうに楽しんでいますか?
観る、きく、触れる、感じる、考える。
紹介する、つくる、買う、一緒に暮らす。
アートの楽しみ方は、人の数だけ豊かに存在しています。
だからこそ、アートが好きな一人ひとりに
「アートとの出会い」や「どんなふうに楽しんでいるのか」を
あらためて聞いてみたいと思います。
誰かにとってのアートの楽しみ方が、他の誰かに手渡される。
アートを楽しむための選択肢が、もっと広く、深く、身近になる。
そんなことを願いながら、アートを観るのが好きなあなたと一緒に
その先の楽しみ方を見つけるための特集です。
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