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2025.05.07
「現代の浮世絵」が集結する展示から、大阪の各所でアートに出会えるイベントまで / 編集部が今月、これに行きたい アート備忘録 2025年5月編
Illustration / NARI (LITTLE FUNNY FACE)
たくさんの展覧会やイベントの中から、絶対に行くべきアートスポットを編集部が厳選! 毎月のおすすめをピックアップしてご紹介します。
今月は大河ドラマで注目を集める浮世絵を、現代の作家たちがアップデートする展示が開催。大阪・関西万博で話題の大阪では、アートとデザインを感じられるイベントも。
「浮世絵現代」(東京国立博物館 表慶館 ・東京)

水木しげる 《妖怪道五十三次 京都》 2023 © 水木プロダクション ※転載不可
日本の木版画技術は、江戸時代に独自の発展を遂げ、当時の社会や風俗を映し出す華やかな芸術としての浮世絵を生み出した。本展では、伝統木版画の表現に影響を受けたアーティストたちが、現代の絵師としてアダチ版画研究所の彫師・摺師と協働し、新たな「現代の浮世絵」を制作。参加作家には、水木しげる、楳図かずお、安野モヨコ、石ノ森章太郎、粟津潔、浅葉克己、佐藤晃一、松永真、田中一光、黒川紀章、靉嘔、和田誠、フンデルトヴァッサー、草間彌生、横尾忠則、田名網敬一、加藤泉、塩田千春、名和晃平ら総勢85名が名を連ねる。

アレックス・ダッジ 《Dancing Between the Shadows of Power》 2021 Courtesy the artist and Maki Fine Arts, Tokyo ※転載不可
会期:2025年4月22日(火)〜6月15日(日)
会場:東京国立博物館 表慶館
住所:東京都台東区上野公園13-9
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「サウンドウォーク・コレクティヴ & パティ・スミス|コレスポンデンス」(東京都現代美術館・東京)

Soundwalk Collective & Patti Smith ‘Correspondences’ - kurimanzutto NY (installation view), courtesy of kurimanzutto
世界的な文化アイコンであるパティ・スミスと、ニューヨークとベルリンを拠点とするサウンドウォーク・コレクティヴによる展覧会。サウンドウォーク・コレクティヴは、アーティストのステファン・クラスニアンスキーとプロデューサーのシモーヌ・メルリを中心に、現代音響芸術を追求する集団。本展では、現在進行形の最新プロジェクト「コレスポンデンス」を展示。「コレスポンデンス」はチェルノブイリ原発事故、森林火災、動物の大量絶滅といったテーマを掘り下げるとともに、アンドレイ・タルコフスキーやゴダールなどを参照しながら、人間と自然やアーティストの役割について問いかける8つの映像作品で構成されている。

Soundwalk Collective & Patti Smith ‘Correspondences’ - kurimanzutto NY (installation view), courtesy of kurimanzutto
会期:2025年4月26日(土)〜6月29日(日)
会場:東京都現代美術館
住所:東京都江東区三好4-1-1
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「ゴジラ生誕70周年記念 ゴジラ・THE・アート展」(森アーツセンターギャラリー・東京)

TM&ⒸTOHO CO.,LTD.
2024年に生誕70周年を迎えたゴジラ。本展は映画の枠を超えた多様なアートによってゴジラを表現。参加アーティストは横尾忠則、風間サチコ、川田喜久治、高山明ら。国内外の第一線で活躍するアーティストによる絵画、彫刻、写真、パフォーマンスなど、様々なジャンルの新作が集結し、「ゴジラとは、何か。」という問いに対し、自身の答えをアート作品として展示する。会場では東宝映像美術によるゴジラとアートが融合したジオラマ&本展のために制作された特別映像も。ゴジラによって破壊された展示空間で、作品だけでなく会場全体からゴジラの存在を体感できそう。

会期:2025年4月26日(土)〜6月29日(日)
会場:森アーツセンターギャラリー
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー 52F
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「青森の芸術家 棟方志功から奈良美智まで」(芳澤ガーデンギャラリー・千葉)

棟方志功《花矢の構》1961年
現代美術家の奈良美智や日本を代表する木版画家・棟方志功など、世界に名高い芸術家の作品を所蔵し、日本有数のコレクションを形成している青森県立美術館。本展では、同館の国内外におよぶコレクションの中から、その中核を担う郷土の作家 “青森の芸術家たち”を、代表作とともに紹介。展示されるのは今純三、棟方志功、斎藤義重、橋本花、阿部合成、小野忠弘、小館善四郎、関野凖一郎、工藤甲人、馬場のぼる、成田亨、佐野ぬい、高木志朗、工藤哲巳、寺山修司、奈良美智ら。遠く離れた、雪深い地の豊かな芸術風土を感じられる展示となっている。

奈良美智《Last Right》1994年 ©Yoshitomo Nara
会期:2025年4月26日(土)〜6月29日(日)
会場:芳澤ガーデンギャラリー
住所:千葉県市川市真間5-1-18
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「Reborn-いのちを織りなすアーティストたち-」展(WHAT MUSEUM・東京)

永沢碧衣《解ける者》 2021年
本展は、現代では薄れつつも日々の暮らしの中で大切に継承されてきた自然との深い関わりに着目し、それを創作活動へ取り入れながら、「いのちの行方」について視覚的に提示する6人のアーティストを紹介。流木や古紙ダンボール、狩猟で得た膠(にかわ)など、出会った素材と真摯に向き合い完成した作品は、私たちに自然との向き合い方を改めて考えるきっかけを与えてくれる。環境破壊や気候変動への危機感が高まる今、本展が私たちの日常の営みを見つめ直す一助となりそう。参加作家は鈴木初音、玉田多紀、永沢碧衣、帆刈晴日、水田典寿、宮川達也。

鈴木初音《花と貝と》 2022年 佐藤美術館蔵
会期:2025年4月26日(土)〜7月6日(日)
会場:WHAT MUSEUM
住所:東京都品川区東品川2-6-10 寺田倉庫G号
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鈴木ヒラク「海と記号」展(ポーラ ミュージアム アネックス・東京)

海と記号 #06 2025 シルバーインク、顔料、土、アクリル、キャンバス│200 x 145 x 5cm (16点組) photo by Ooki Jingu © Hiraku Suzuki Studio
「描く」と「書く」の間を主題に、平面・彫刻・映像・インスタレーション・パフォーマンスなど様々な制作活動を展開している鈴木ヒラクの展覧会。本展の中心となるのは、深海や宇宙を想起させる瞑想的な青の背景に、シルバーで描かれた連作《海と記号》。会場では16点組の大型キャンバスが円環状に配置され、水中を漂う発光プランクトン、あるいは細胞分裂や超新星などを想起させる記号群が脈動する。また、架空の記憶を描き出す《Casting (Ocean)》や、新作映像インスタレーションもあわせて展示される。

Casting (Ocean) 2025 博物館のカタログ切り抜き、シルバースプレー│サイズ可変 photo by Ooki Jingu © Hiraku Suzuki Studio
会期:2025年4月25日(金)〜6月8日(日)
会場:ポーラ ミュージアム アネックス
住所:中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル3階
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「Osaka Art & Design 2025」(梅田ほか・大阪)

大阪の街を巡りながら、未知のアートやデザインに出合える周遊型エリアイベントが開催。クオリティの高いパブリックアートに気軽に出合う「見る楽しさ」、施設やギャラリー・ショップでアートやデザインを「見て、買う楽しさ」の両方が体験できる祭典です。今年のテーマは「Overlaps 重なる夢中」。時間も寝食も忘れて、無我夢中で没頭する情熱やエネルギーに満ちた作品は、観る人と共鳴し、新たな原動力を与えてくれそう。型破りでユニークな感性あふれる大阪の地で、まだ見ぬアートとデザインに遭遇してみては。

会期:2025年5月28日(水)〜 6月24日(火)
会場:梅田、堂島、中之島、京町堀、本町、心斎橋、なんば、天王寺ほか 大阪市内各地
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