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- アートとファッションを愛する俳優・桜田通が体感するロエベの世界 / エキシビション「ロエベ パズル10 ポップアップ」 in 松坂屋名古屋店
REPORT
2025.06.10
アートとファッションを愛する俳優・桜田通が体感するロエベの世界 / エキシビション「ロエベ パズル10 ポップアップ」 in 松坂屋名古屋店
Text / Kaori Komatsu
Heair & Make / Shizuka Wada
Styling / Kei Shibata
2025年にロエベのアイコンバッグであるパズルバッグが10周年を迎えることを記念し、松坂屋名古屋店では6月17日(火)までエキシビション「ロエベ パズル10 ポップアップ」を開催中。カサロエベからインスピレーションを得た心地よい空間に、過去10年に発売したデザインから19点を復刻したリエディションと1点の新デザインが展示されています。
隣にはロエベとコラボレーションを展開したことのある、京都を拠点に活動する陶芸制作ユニット、スナ・フジタの作品が展示された立体的な絵本のようなスペースも。パズルバックとロエベの唯一無二の創造性が溢れる本展を、アートとファッションを愛する俳優、桜田通さんが訪れました。
ロエベの歴史を感じるパズルバッグの変遷

2015年から2025年まで――10年の間に生まれた色も形も素材も違う多彩なロエベのアイコンバック、パズルバッグが並ぶ空間。桜田通さんはとてもワクワクした表情で一つひとつのバズルバックを眺めた。
「色や形に個性があって、長いロエベの歴史の中でもアイコンになっているさまざまなパズルバッグが一挙に見られるとても貴重な機会だと思いました。個人的には、時代やコレクションによって形や色や材質に大きな違いがあるパズルバッグを見る中で、人間も一人ひとりが違う性格で違う生き方をしているということが頭に思い浮かびましたね。その歴史を追う中で、さまざまな学びがあって本当に興味深かった。何時間でも見ていたいなと思いました」


僕にとってのロエベは、ポジティブな瞬間に身につけたい存在
19世紀イギリスのテキスタイルデザイナー、ウィリアム・モリスの花柄や自然をモチーフにしたプリントとパンクや反骨精神あふれるディティールを融合させたバイカースタイルのパズルバッグや、ハワイアンキルトにインスパイアされ、手作業で施されたカーフスキンの花々がレザーの紐で取り付けられたパズルバッグ、カードやサイコロの刺繍が施されたパズルバッグ──ロエベの歴史を紡いできた、とびきりの遊び心と高い技術の数々が多種多様なパズルバッグに結集している。
「2015年秋冬ウィメンズランウェイに登場したピンクのスウェードのカマイユ(同系色の濃淡)が使われたパズルバッグは、アーカイヴが残っておらず、今回復刻するにあたってこのパズルバッグを持っている方に貸してもらったそうなんです。でも、当時のスウェードを再現するのがなかなか難しかったと伺いました。10年のうちに再現が難しくなってしまう材質があることに驚いたし、その時にしか表現できない儚さを感じました。
2017年春夏ウィメンズランウェイに登場した、青空と雲がプリントされたパズルバッグはものすごくかわいかったです。写真のようなリアルなプリントでアート作品のようでした。パズルバッグはキャンバスのようなもので、想像力によっていくらでも自由度が高くなる。ロエベならではの表現が詰まっているアイテムだと思います。アニメやアメコミが好きな僕としては、2016年春夏メンズコレクションで登場したマンガ風のプリントが施されたパズルバッグも気になりましたね」


桜田さんもお気に入りのFLUFFY PUZZのチャーム
パズルバッグの魅力をさらに増大させるのが、各パズルバッグからインスピレーションを受け、職人が手仕事で命を吹き込んだやんちゃなキャラクター、パズのチャームだ。表情も素材も形も違うカラフルなパズのチャームがパズルバッグと共に並ぶ。
「僕のお気に入りの青空と雲がプリントされたパズルバッグに適合するのは FLUFFY PUZZのチャーム。 FLUFFYっていう名前にぴったりのモコモコした素材がすごくかわいいです。パズルバッグだけでもたくさんの楽しさがあるのに、これだけの種類のチャームがあるとさらに楽しいですよね。それぞれのパズルバッグに合ったチャームを付けてもいいし、あえて違うカラーのチャームを付けてミスマッチさを楽しんでも良い。チャーム単体でも充分かわいいので、パズルバッグ以外のロエベのバッグにも付けたくなります。
ロエベのアイテムを見る度に、自由な想像力を具現化する力の強さを感じます。軽々と僕の想像力を超えてくるアイテムばかりなんですよね。ロエベのアイテムを身に付けたくなるのはポジティブな瞬間が多いです。たくさんの人と会う日に手に取りたくなる印象があります。ロエベのアイテムを基点に話が膨らむことも多いので、知り合いが少ない場所でロエベのアイテムが味方になってくれたこともあります」

アートを楽しむことは、作り手の人生を覗かせてもらっているような感覚
パズルバッグの幾何学的なデザインは日本の芸術である折り紙を再解釈したもの。一つにつき、約75枚のパーツを使用して組み立てられており、強い存在感を放つ。パズルバックがずらりと並んだ空間の隣には、ロエベとコラボレーションしたこともある京都の陶芸制作ユニット、スナ・フジタの作品が展示されており、ロエベの親しみやすい世界観を拡張させている。


「日本で生まれ育った身としてはパズルバッグが折り紙から着想を得ているのは光栄ですし、嬉しいですよね。スナ・フジタさんやスタジオジブリをはじめ、ロエベは日本との親和性が高いイメージがあります。ロエベから日本のアートや文化の面白さを学ぶこともあって、逆輸入の感覚を抱くこともあるのが面白い。今回スナ・フジタさんの複数の作品を間近で見ることができ、とても緻密な絵が描かれた繊細な作品であるにもかかわらず、かわいらしさや遊び心、親しみやすさがあるところがロエベの世界観と通ずると思いました。肩肘を張らずにリラックスして楽しめますよね。
実は半年前くらいから知り合いの影響で陶芸を始めたんです。陶芸はどの土や釉薬を使うか、ろくろをどうやって引くか、焼き加減などによって大きく質感が変わってくるので、繊細な想像力が必要です。スナ・フジタさんをはじめ、陶芸作家の方たちのすごさや奥深さを感じる日々がとても楽しいんです。僕はとてもせっかちでいくつものことを同時に進めるタイプなのですが、陶芸をやる時はそうはいきません。邪念が入るとろくろ回しが失敗してしまいます。ひとつのことに集中できるのも陶芸にハマっている理由ですね」

お仕事でもプライベートでもアートに触れる機会が多いという桜田さん。どんな風にアートを楽しんでいるのだろうか。
「作り手がどんな想いで作品を作ったかということが作品を通して伝わってくる瞬間が楽しいです。自分が興味のあることが垣間見えるとなおさら惹かれますね。表現は十人十色ですし、受け取り方も十人十色です。僕はアートはすべてを理解できなくて良いと思っていますし、すべてを理解できるとも思っていません。すべてを理解したら興味がなくなってしまう気がする。作り手の人生を覗かせてもらっているような感覚が面白いんです。あと、どう解釈したか、どう感じたか、ということを人と話すことで視点が広がるのも素敵ですよね」

Information
ロエベ パズル10 ポップアップ
ロエベのアイコンバッグであるパズルバッグ10周年を記念した「ロエベ パズル10 コレクション」。過去10年に発売したデザインから19点を復刻したリエディションと1点の新デザインが登場。この全20点を本イベントで展示販売する。
スナ・フジタ コレクション展
アーティストの藤田匠平と山野千里による陶芸制作ユニット、スナ・フジタ。ロエベと過去2度のホリデーコレクションで創造を共にした同ユニットによる陶芸作品を紹介。屏風絵に着想を得た空間で、子ども心に満ちた空想世界が展開される。(作品の販売はありません)
■会期
2025年5月29日(木)→6月17日(火)
10:00~19:00 ※最終日は16:00閉場
■会場
松坂屋名古屋店
本館8階 ART HUB NAGOYA open gallery
(愛知県名古屋市中区栄3丁目16-1)
衣裳:フーデッド オーバーシャツ ¥205,700 / ドローストリング トラウザーズ ¥140,800 / カンポ ローファー フラップバック ¥162,800 (6/26発売予定) / フェザーライト パズルバッグ スモール ¥649,000 (すべてロエベ)
お問い合わせ:ロエベ ジャパン クライアントサービス(03-6215-6116)
DOORS

桜田通
俳優
1991年生まれ、東京都出身。2005年のドラマ「瑠璃の島」で映像デビュー。ミュージカル版「テニスの王子様」の主人公・越前リョーマ役に抜擢されて以降、様々な話題作に出演。ドラマ「クールドジ男子」やドラマ「コーヒー & バニラ」で主演を務め、世界的に人気の高いNetflix「今際の国のアリス」シリーズに出演をきっかけに、グローバルを視野にいれた活動に注力。俳優活動の他、SNS での影響力がファッション業界などで高く評価され、有名メゾンをはじめ様々なクリエイターやファッション感度の高い若者から大きな支持を得ており、多方面で活動中。精力的に音楽活動も行い、2023年にポニーキャニオンが運営するearly Reflectionの新レーベル“Pandrec”より楽曲「MIRAI」でメジャーデビュー。3rd写真集『33』が発売中。
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