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2026.04.01

ロン・ミュエクの巨大インスタレーションが観られる展示から、マルタン・マルジェラの大規模個展まで。 / 編集部が今月、これに行きたい アート備忘録 2026年4月編

Text & Edit / Daisuke Watanuki
Illustration / Asuka Hoshino

たくさんの展覧会やイベントの中から、絶対に行くべきアートスポットを編集部が厳選! 毎月のおすすめをピックアップしてご紹介します。
今月は、オーストラリア出身の現代美術家、ロン・ミュエクの大規模個展が開催。マルタン・マルジェラ自身が展示構成・キュレーションを手掛ける日本初の個展も見逃せない。

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先月紹介のイベントもまだまだ楽しめる!

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W.ユージン・スミスの写真展から、空山基による過去最大の回顧展まで。 / 編集部が今月、これに行きたい アート備忘録 2026年3月編

  • #連載 #展覧会 #アート備忘録

「池上彰と考える現代アート Vol.1 Empowered by Taguchi Art Collection 『われわれが何をしたのか』」(角川武蔵野ミュージアム・埼玉)

角川武蔵野ミュージアムとタグチアートコレクションの協力による、現代アート展シリーズ。本展では社会性の強い作品に焦点を当て、アートと社会という二つの文脈からその本質を読み解くもの。今回、その第一弾として、南アフリカの活動家でもあるハルーン・グン=サリーの《センゼニナ/Senzenina(われわれが何をしたのか)》を展示。アーティストであると同時に活動家でもあるハルーン・グン=サリー。2012年のマリカナ鉱山虐殺事件を題材とした本作は、彫刻を通じて社会の不正義を鋭く告発する。

©︎Haroon Gunn-Salie

会期:2026年3月28日(土)〜7月6日(月)
会場:角川武蔵野ミュージアム
住所:埼玉県所沢市東所沢和田3-31-3
公式サイトはこちら


「ロン・ミュエク」(森美術館・東京)

《イン・ベッド》
2005年
所蔵:カルティエ現代美術財団
展示風景:「ロン・ミュエク」韓国国立現代美術館ソウル館、2025年
撮影:ナム・キヨン
画像提供:カルティエ現代美術財団、韓国国立現代美術館

具象彫刻の可能性を押し広げてきた現代美術作家、ロン・ミュエク。徹底した人間観察に基づき、素材や技法を駆使して造られるその作品は、生命感に溢れながらも人間の脆さや不安を克明に描き出してきた。実物とは異なる極端なスケールで造形された彫刻は、知覚の先入観を揺さぶり、リアリティに肉迫する一方で、身体と存在の関係を問いかける。日本では18年ぶり2度目の個展となる本展では、大型作品《マス》など主要作品を中心に、初期の代表作から近作まで11点を展示。うち6点が日本初公開であり、初期の傑作《エンジェル》の出展はまたとない機会となる。

《マス》
2016-2017年
所蔵:ビクトリア国立美術館(メルボルン)、2018年フェルトン遺贈
展示風景:「ロン・ミュエク」韓国国立現代美術館ソウル館、 2025年
撮影:ナム・キヨン
画像提供:カルティエ現代美術財団、韓国国立現代美術館

会期:2026年4月29日(水・祝)〜9月23日(水・祝)
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー 53F
公式サイトはこちら


 

「驚異の部屋の私たち、消滅せよ。 ー 森村泰昌・ヤノベケンジ・やなぎみわ ー」(大阪中之島美術館・大阪)

森村泰昌 ヤノベケンジ やなぎみわ 《私たちは、それぞれに旗を掲げる。》
(ラフスケッチ) 2026年

「関西ニューウェーブ」を代表する森村泰昌、ヤノベケンジ、やなぎみわが大阪中之島美術館に集結。国際的に活動しつつ時に交差してきた3人が、2026年の万博ポストイヤーに再び邂逅する。「消滅せよ。」という強烈な言葉を掲げ、新作を中心に構成される本展は、個々の活動が凝縮された「驚異の部屋」となること必至。時に協働し、時に衝突しながら、絶対的な孤独を抱える表現者たちが、美術館という舞台で個の世界をぶつけ合う。

森村泰昌 《M式・大阪八景/通天閣の前でバルドーもどき》 2026年

会期:2026年4月25日(土)〜7月20日(月・祝)
会場:大阪中之島美術館 5階展示室
住所:大阪府大阪市北区中之島4-3-1
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ダニエル・ビュレン 「Third Eye, situated works - 知覚の拡張ーそこにある眼差し」(SCAI THE BATHHOUSE・東京)

ダニエル・ビュレン「Third Eye, situated works - 知覚の拡張—そこにある眼差し」展示風景、SCAI THE BATHHOUSE、東京、2026
写真:表恒匡 協力:SCAI THE BATHHOUSE

コンセプチュアル・アートの巨匠、ダニエル・ビュレン。1960年代から「視覚の道具」と称する8.7cm幅のストライプを記号に、美術制度の枠組みを問い直してきた。本展は、近年彼が深める「光」や「反射」へのアプローチを体現する新作《Prismes et mirroirs : Haut-relief (プリズムと鏡 :高浮き彫り)》シリーズで構成される。鏡面の支持体に多色の凸体(プリズム)を配した作品は、鑑賞者や周囲の環境を映り込ませ、平面と立体の境界を揺さぶる。それは、作品と環境が分かちがたく結びつく「借景」の思想とも共鳴し、見る行為そのものへの批判的視座を喚起する。

Photo-souvenir : Découpé / Étiré, travail in situ, 1985, in
« Fare, Disfare, Rifare, lavori in situ e situati, 1968-2025 », Pistoia,
mars 2025. Détail © DB-ADAGP Paris

会期:2026年3月17日(火)〜5月9日(土)
会場:SCAI THE BATHHOUSE
住所:東京都台東区谷中 6-1-23
公式サイトはこちら


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連載「作家のB面」の川内理香子さん回はこちら!

連載「作家のB面」の川内理香子さん回はこちら!

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【前編】描きたいのは「パン以上」のものを感じるパン / 連載「作家のB面」 Vol.40 川内理香子

  • #川内理香子 #連載

川内理香子 「Drift of Water」(CAPSULE・東京)

Rikako Kawauchi, PAPAYA, 2025, oil on canvas, 2273 × 1818 mm
©︎Rikako KAWAUCHI, courtesy of the artist and WAITINGROOM

ドローイングや立体など複数のメディアを横断し、ダイナミックな線の表現を追求し続ける川内理香子。本展は、2025年の黒部市美術館での個展を起点とし、水の「循環」と「気配」をテーマに展開される。山から海へと至る水の流れと、自身の制作プロセスを重ね合わせてきた川内は、本作において水が形を成す以前の、遍在し漂う状態へと視点を移した。身体、思考、素材がキャンバスの上で浸透し合い、混ざり合うその軌跡は、あらゆる存在の内外を行き交う水の運動そのものを体現する。形に留まらず変容し続ける生命の奔流を、新作群を通じて鮮烈に提示する。

Rikako Kawauchi, Where the river meets the sea, 2025, oil on canvas, 1620 × 1620 mm
©︎Rikako KAWAUCHI, courtesy of the artist and WAITINGROOM

会期:2026年3月14日(土)〜4月26日(日)
会場:CAPSULE
住所:東京都世田谷区池尻2-7-12 B1F
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「原画展 DRAW─原研哉は描いている」(京都dddギャラリー・京都)

頭の中に去来する不安定な着想を、この世界の次元に引き出す営みとしてのスケッチ。無印良品のアートディレクションなどで知られるデザイナー・原研哉による、初のスケッチ集『DRAW』の刊行を記念した原画展が開催される。本展では、心に浮かぶ造形を書き留めたドローイングや、課題への応答としての素描、展示構想から書籍のラフまで、多岐にわたる原画を一挙に公開。ポスターから未来構想に至るまで、原研哉が「すべてのはじめに」手を動かし描くことで生み出してきた、クリエイティブの原像がここに並ぶ。

会期:2026年4月4日(土)〜6月3日(水)
会場:京都dddギャラリー
住所:京都府京都市下京区水銀屋町620 COCON KARASUMA 3F
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「MARTIN MARGIELA AT KUDAN HOUSE 」(kudan house・東京)

登録有形文化財・九段ハウスを舞台に、マルタン・マルジェラの日本初となる大規模個展を開催する。1927年竣工の歴史的邸宅に現代美術を配する対比に、マルジェラ自身が強い関心を寄せており、展示構成およびキュレーションはすべてアーティスト自身によって手がけている。再利用、分解、変容をテーマに、身体や日常の断片を非凡な表現へと転化させてきたマルジェラ。本展ではコラージュや彫刻、映像など多様な技法による作品が、生活の痕跡が残る空間に儚いインスタレーションとして展開される。

会期:2026年4月11日(土)〜4月29日(水・祝)
会場: kudan house
住所:東京都千代田区九段北1-15-9
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2026年度のキービジュアルはアーティスト・星野明日香さんが担当します。

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《猫と桜》 2026年

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