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2025.08.06

東京都現代美術館の開館30周年記念展から、「瀬戸芸美術館連携」プロジェクトまで / 編集部が今月、これに行きたい アート備忘録 2025年8月編

Text & Edit / Daisuke Watanuki
Illustration / NARI (LITTLE FUNNY FACE)

たくさんの展覧会やイベントの中から、絶対に行くべきアートスポットを編集部が厳選! 毎月のおすすめをピックアップしてご紹介します。
今月は、東京都現代美術館の開館30周年記念展がスタート。「瀬戸内国際芸術祭2025」が開幕中の香川県では、日本人の現代アーティストによる作品を中心とした関連プロジェクトが多数開催。

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先月紹介のイベントもまだまだ楽しめる!

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建築家たちによる展覧会から、映画界の巨匠のインスタレーションまで / 編集部が今月、これに行きたい アート備忘録 2025年7月編

  • #連載 #展覧会 #アート備忘録

「開館30周年記念展 日常のコレオ」(東京都現代美術館・東京)

ジョナタス・デ・アンドラーデ《Jogos Dirigidos (Directed Games)》2019年

開館30周年を記念した、国内外で活動する幅広い世代のアーティスト約30名/組を紹介する大規模展。本展では、多様な場所における人々の営みや身振りに着目し、変容をもたらす主体性を探求。作家の新作も多数含まれ、日常に内在する文化的、政治的、経済的相互作用を掘り下げ、社会構造に組み込まれた見えない暴力や抑圧を可視化する。現代美術を通じて未来の社会を多角的に考察するプラットフォームを目指し、作品展示に加え、鑑賞者参加型のパフォーマンスやワークショップも行う予定。

佐々木健《ゲバ棒、杖、もの派の現象学、または男性性のロールモデルについてのペインティング》2024年 撮影:加藤健

会期:2025年8月23日(土)〜11月24日(月・休)
会場:東京都現代美術館 
住所:東京都江東区三好4-1-1
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「大竹伸朗展 網膜」(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館・香川)

大竹伸朗 《網膜/碧放射》 1989-2024年 ©Shinro Ohtake Photo by Shimpei Yamagami

半世紀におよぶ活動を通じ、圧倒的な熱量により膨大かつ多様な作品の数々を生み出してきた大竹伸朗。本展では、廃棄された露光テスト用のポラロイド・フィルムに残された光の痕跡を大きく引き伸ばし、その表面に透明の絵具としてウレタン樹脂を塗布する絵画作品〈網膜〉シリーズにフォーカスして大竹の作品世界を掘り下げる。新たに創り出された渾身の新作〈網膜〉12点に加えて、未公開作や巨大な立体作品《網膜屋/記憶濾過小屋》(2014)など、〈網膜〉とそこに接続する多様な作品から、大竹の現在地とこれからの展開を世界に向けて発信する。

「大竹伸朗展 網膜」限定オリジナルグッズ Tシャツ

会期:2025年8月1日(金)〜11月24日(月・休)
会場:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
住所:香川県丸亀市浜町80-1
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「石田尚志 絵と窓の間」(高松市美術館・香川)

石田尚志《 絵と窓の間》 2018年 ©Ishida Takashi

自ら描いた絵画を連続的に撮影する手法(ドローイング・アニメーション)で制作した映像作品で知られるアーティスト・石田尚志。映像と空間、あるいは立体造形とともに構成されるインスタレーションへの展開を経て、近年は10代以来となるカンヴァスに絵筆を走らせ、空間と時間を“静止した平面”へ描き表すことに再び取り組んでいる。2015年以来の大規模な個展となる本展では、代表作と最新作を中心にした展示構成。レトロスペクティブ上映やパフォーマンスなどを交えた、石田の仕事を概観できるような機会となる。

神奈川県立近代美術館 葉山での新作制作風景 2024年

会期:2025年8月8日(金)〜10月5日(日)
会場:高松市美術館
住所:香川県高松市紺屋町10-4
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「小沢剛の讃岐七不思議」(香川県立ミュージアム・香川)

「小沢剛による展示構想ドローイング」

ユーモアを交えながら歴史や社会を鋭く批評する絵画、写真、映像、インスタレーションといった多様な手法の作品で知られる小沢剛。本展では、香川県立ミュージアムの香川の歴史・美術・民俗に関する膨大な資料や情報などから、独自の視点でモノ・コトに着目し、それらから触発され生み出した作品や実物の資料を組み合わせた展示を構想。子どもと大人、過去と現在などの異なる視点が交差する作品世界は、モノ作りの技術や収蔵・陳列について、あるいは世界の見方や自然科学、死生観などについての考察と、讃岐の歴史文化との新たな出会いを誘発する。

香川県指定有形文化財「高松松平家博物図譜」のうち「衆鱗図」より(香川県立ミュージアム保管)

会期:2025年8月9日(土)〜10月13日(月・祝)
会場:香川県立ミュージアム
住所:香川県高松市玉藻町5-5
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「神戸六甲ミーツ・アート2025 beyond」(六甲山・兵庫)

©Artwork:Yoshitomo Nara

神戸・六甲山上を舞台とした現代アートの芸術祭。これまでに延べ580組以上のアーティストが参加しており、今年は、国内外から60組以上のアーティストが参加予定。16回目を迎える今回は「環境への視座と思考」をテーマに開催。これまで以上に、六甲山の自然とアートを楽しめる内容になっている。展示会場は大きく9つのエリア。なかでもミュージアムエリアにある「ROKKO森の音ミュージアム」内のSIKIガーデン~音の散策路~では、現代美術家である奈良美智の《Peace Head》が六甲山のシンボルとして常設展示される。

船井美佐《森を覗く 山の穴》

会期:2025年8月23日(土)〜11月30日(日)
会場:六甲山各地 ミュージアムエリア(ROKKO森の音ミュージアム・六甲高山植物園・新池)、六甲ケーブル(六甲ケーブル下駅・山上駅)、天覧台、兵庫県立六甲山ビジターセンター(記念碑台)、六甲山サイレンスリゾート(旧六甲山ホテル)、トレイルエリア、みよし観音エリア、六甲ガーデンテラスエリア、風の教会エリア
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「Yamaguchi Seasonal 2025/坂本龍一+YCAM Forest Symphony」(常栄寺・山口)

撮影:山中慎太郎(Qsyum!) 写真提供:山口情報芸術センター[YCAM]

音楽家/アーティストの坂本龍一とYCAMのコラボレーションによるインスタレーション作品《Forest Symphony》の展示。本作は世界各地の樹木の生体データからサウンドを生成するサウンドインスタレーション作品で、メディア・テクノロジーを応用し、アーティストとYCAMのコラボレーションのもと制作された、YCAM発の代表的な作品のひとつ。自然の変化を繊細に切り取り、私たちを取り囲む環境へとゆっくり意識を向けさせる本作を通じて、作品の持つ本質的な魅力とともに、山口の自然や名跡の魅力を再発見する機会となる。

撮影:山中慎太郎(Qsyum!) 写真提供:山口情報芸術センター[YCAM]

会期:2025年8月8日(金)〜11月30日(日)
会場:常栄寺
住所:山口県山口市宮野下2001-1
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「石川直樹写真展「ASCENT OF 14 2001-2024」」(FUJIFILM SQUARE・東京)

©Naoki Ishikawa

世界の8,000m峰全14座を、写真家として史上初めて制覇した石川直樹。 石川は23歳の時に初めてチベットの大地に降り立ち、2001年のエベレスト遠征を皮切りに、14座に登りながらフィルムカメラで撮影を続けてきた。本展は、最初の遠征で撮影されたポジフィルムをはじめ、展示作品の多くが初公開の作品。23年間にわたった石川のヒマラヤでの足取りを、大きく引き伸ばされた約70点の写真群によって振り返る。タイトルが示す「14座」とは、このヒマラヤ山脈とカラコルム山脈にまたがる14の山々のこと。

©Naoki Ishikawa

会期:2025年8月29日(金)〜9月18日(木)
会場:FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア)
住所: 東京都港区赤坂9-7-3 東京ミッドタウン ミッドタウン・ウエスト 1F 
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